なぜ山に登るのか|そこにおやつがあるからだ

なぜ山に登るのか|そこにおやつがあるからだ


「そこに山があったから」
山に登る理由はこれで十分。

大人はこれでいいと思うが、子供はこんな理由では登らない。
「山に登ったらおやつがあるから」登るのだ。

正しく書いてみよう。

「山に登ったら山頂でおやつを食べたいと言ってもわがままとは言われないし、食べたいおやつを食べれるから」山に登りたいのだ。

長男との山登りについてお話しよう。

1.ワクワクは1週間前から

ワクワクは1週間前から

 

1年前に行った山登り

2019年5月、世間ではGWは10連休。
私の勤め先も同じく10連休の予定。

私は2日間ほど残務を片付けるために出勤する予定であるものの、その他の休み中は長男の遊び相手として何をするか決める係。

長男の通う保育園では、毎年6月に親子遠足がある。
年中(4歳)だった昨年は小さい山に登り、女坂を上って女坂を下りるルート。

登り始めは前から5番目くらいだったが、あっという間に抜かれて最後尾。
それでも上りは私も手を貸さず、自分の力だけで登りきった。

 

今年は1番になりたい

今年の保育園の親子遠足は昨年と同じ山を男坂から登り、女坂から下りるルート。
年長さんはちょっと崖のような男坂から登るのだ。

1年前に自力で親の力を借りずに登りきったことが長男の自信になった様子。
そんな長男、今年は練習して1番に登ると言い出した。

ハチ

(1番はちょっと難しいかなぁ)

しかし、本人のやる気を削いではいけない。
やる気になっているときに、その気にさせてしまった方がいい。

 

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2.目的は山登り…ではない?

目的はおやつ

 

目的は山登りの先にある

4月下旬、連休中の予定をどうしようか考えていたところだった。
これは…連休中に山登りに行けば、少し予定が埋まる。

そう、完全に大人の都合だ。
長男にはそんなことを感じさせずに話をしてみた。

ハチ

じゃあ、今年は親子遠足の前に山登りの練習に行くか!

ムツ(長男)

うん!行く行く~!

こんなにやる気になっていたなんて…
大人の都合なんて考えてしまい、申し訳ない。

と思った矢先の発言。

ムツ(長男)

おやつ持って行って食べたい。
おやついっぱい持って行こうよ!
ラムネとグミと、それとね~…

そういうことか。
目的はおやつで、食べるために山に登りたい、と。

大人の都合どころか、子供の都合である。
さすが我が息子、山登りを利用して思う存分おやつを食べる作戦とは強かである。

 

1週間前からおやつを選び始める

山登りに行くことが決まったら、長男の頭の中にはおやつでいっぱい。
ちょっと連休の話が会話に出ると、すぐにおやつの話題になる。

1週間ほど前のある日、お風呂に一緒に入っている時におやつの話をした。

ムツ(長男)

山登りのおやつ、いくつ持って行っていいの?
なにがいいかな~♪

もうワクワクが溢れている。
ワクワクが止まらない、おやつのことで。

ハチ

おやつは2つまで、小さいおやつだけね。

ムツ(長男)

え~!
もっと持って行こうよ~!

いかん、完全におやつ食べたい欲が前面に出ている。
もはや”おやつモード”と言っても過言ではない。

ハチ

持って行きたいおやつ2つ決めて。
決めなかったらおやつナシになるよ~。

ムツ(長男)

あああ~!えっと~!
ら、ラムネとグミにする!

ということで、ラムネとグミに決定。
少し大人の汚い手を使ったが、これでおやつは決まった。

 

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3.男は男坂を登るに決まってる?

男は黙って男坂

 

男坂と女坂までの分岐点

当日の朝、少し早めの時間に出発。
途中、約束したおやつと飲み物をしっかり買った。

駐車場に車を止めてから登山道まで歩く。
登山道の手前にトイレがあるので、しっかりと用を足して出発。

ハチ

男坂と女坂の分かれ道まで登るよ~

ムツ(長男)

男坂って男が登るんでしょ?

ハチ

う、うん、そうだね~
(適当に返事しておこう)

真面目に返事をすると”なんでなんで攻撃”になってしまう。
とりあえずで適当に返事をしたことが後になってブーメランになるとは、この時点では分かっていなかった。

登山道に入って10分くらいで分岐点に到着。
ママにこれから登る証拠として送るために写真撮影。

日和田山の男坂・女坂の分岐点

この時点で長男は「疲れたぁぁぁ」と弱音。
こんなんで男坂を登れるのかちょっと心配。

 

女は男坂を登っちゃダメ…ではない

分岐点で写真を撮り、そのまま男坂へ足を進める。
細い道で、左側はかなりの高さの崖になっている。

ムツ(長男)

パパ、こっち怖いよぅ

…まだ男坂っぽくもないのだけど、この怖がり様で大丈夫か?
先に進んでいくと現れた岩のある登りの道。

岩のある登りの道

 

ムツ(長男)

え~!
こんなの登れないよぅ

ハチ

男坂は男なら登れるんだよ?
教えてあげるから、一緒に行こう!

渋々といった感じだけど、進む気になった様子。
後ろから50代くらいの夫婦が来たので、先に道を譲った。

ムツ(長男)

あれ?ここ男坂だよ。
女の人は登っちゃダメなんだよ。

あ~、しまった。
適当にした返事がここでブーメランとなって戻ってきた。

ハチ

男坂は男のように強い坂って意味なんだよ。
だから、女の人でも登っていいんだよ。

ムツ(長男)

んん~…
坂が強いの?男なの?

ああ、これから登ろうというタイミングで…
ちょっと話が面倒になってきたので、話題を変えていこう。

ハチ

強い坂を登ったらおやつ食べれるぞ!
頑張って登るぞ~!

ムツ(長男)

早く登っておやつ食べよ!

おーし、おやつモードで乗り切った。
まだ登頂していないのに少し達成感があったりなかったり。

 

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4.登り切った先にあるものは

頂上までもう少し

 

岩や崖ばかりの男坂

息子がやる気になったところで、やっと登り始めた。
男坂は勾配がややきつめではあるものの、多少登りやすく整備されている。

私たちが来た山は標高305m、累積標高も447mという小さい山。
大人なら往復3時間以内、早い人なら2時間以内に往復できる山だ。

ハチ

男坂と言っても5歳が登れる山だし
そんな大したことはないだろ~

余裕ぶっこいていたので驚いた。
登山初心者の大人にはなかなかの岩登り。

男坂は岩登り

こんなところ、5歳で登るのか…
この岩を見て怖気づたらしく

ムツ(長男)

こんなところ絶対登れない!

ハチ

大丈夫だよ。
ここ登れたらかっけーじゃん!
足載せるところ教えるから大丈夫。

怖気づく息子をなんとか誘導して、少し手を貸すくらいで登れた。
登って下を見ると、結構な急勾配に感じる。

小さい山となめてかかったら危ないな…

 

登頂成功!の先にあるもの

男坂の絶壁

 

岩登りの連続で、少しずつ息子のペースでゆっくりと登る。
すると、少し上が明るくなって開けてきた。

ムツ(長男)

パパ、もう頂上?

ハチ

うん、もうちょっと先が頂上。
ここは頂上の少し前の場所だよ。

ムツ(長男)

なんだよ、もう終わりかよ。

おいおい、怖気づいていた君はどこへ行ったんだ?
急に強気になりだして、少し笑ってしまった。

頂上手前の見晴らしの良い岩場

男坂と女坂の合流地点はとても見晴らしがよいので写真撮影。
ここからさらに200mほど登れば山頂。

「まだ?まだ?」と何度も聞いてくる息子に「もうすぐ」と何度も言って登り続ける。
10分ほど登ると…

ムツ(長男)

あ!ここ頂上じゃん!

ハチ

ここ登れば頂上だよ。
もうちょっと、頑張れ!

登頂成功

ムツ(長男)

やった~!頂上!
おやつ食べよ!

登頂⇒おやつ が速い。
F1のピットイン作業くらい速い。

息子の目当ては山登り後のおやつ。
登り切った先にあるおやつのために頑張ったのだ。

登頂後のおやつタイム

おやつを頬張ってご満悦。

 

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5.ひとつたくましくなった息子

たくましくなった息子

 

登山はなめてかかるとケガをしてしまう。
だからこそ、緊張感の中で登り切った達成感は大きい。

この達成感の大きさから、下山中に息子が言いだした。

ムツ(長男)

パパ、明日は別の山に登ろうよ。

ハチ

ええ!?明日?

ムツ(長男)

行こうよ~!

ハチ

…うん、行こうか。
じゃあ、帰ったら山を探すね…

そして、2日連続で山を登った私の足は筋肉痛。
息子は元気にはしゃいでいたお話は、次の機会に。

山登りは大人もいいトレーニングという印象。
子供の筋力アップや自信にも繋がる。

息子のハマりようから、しばらくは登山に付き合うか。
どうせなら楽しんで、息子も自分の筋肉も鍛えるのもいいかもしれない。

…小さい子が登れる山を探すのは一苦労だけど。

男の子のいるご家庭には山登りをおすすめしたい。
息子がたくましくなる…かもしれない。


 

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